散骨とは??
散骨とは、「最期は自然に還りたい」「お墓は必要ない」と望む人たちから注目されている葬送のスタイルです。遺骨を自然に還す自然葬の一つであり、墓石のない供養のかたちです。
散骨が選ばれる理由は
最近では葬送の種類が増えてきました。散骨は日本にとって馴染みの薄い葬送になります。海外では以前から頻繁に散骨は行われていますが、日本ではお墓や納骨堂の文化が根強く、ご遺骨を故人とし会いに行き対話するという昔ながらの風習となっていました。
そのような文化の中でなぜ散骨が近年流行しているのかというと、日本が抱えている大きな問題、少子高齢化が原因の一つとなっています。お墓や納骨堂は管理することが必要です。修繕費用などの金銭面的にもご遺族にとっては負担が大きくなってしまいます。その点でいうと散骨はご遺骨を海へ撒くため、管理(お墓の掃除等)や修繕費用が必要ないので負担は大幅に減少します。
ただ散骨にも良いことばかりではないのできちんとデメリットも理解した上で選択していきましょう。
散骨のメリットとデメリット
散骨に関するメリットとデメリットを解説します。
メリットとは
メリット①料金が抑えられ維持費がかからない
お墓や納骨堂を必要としないため、墓地や墓石の購入費用が削減できます。
メリット②居住地はどこでもよくなる
お墓がないということはご遺族にとって、その土地に必ず住まなければいけないということが無くなります。なぜならお墓の管理がなくなりお掃除やお線香をあげたりする必要がなくなるからです。
メリット③宗教の障壁はなく誰でも実施することができる
散骨には宗教などは関係なく故人が望めば、またご遺族が望めば自由に散骨を行うことができます。
メリット④望めばペットと一緒に散骨することができる
ペットは大切な家族の一人ですが、残念ながらお墓や納骨堂に一緒に入れるところはまだまだ少ないのが現状です。散骨であればペットと一緒に自然へ還ることができます。
デメリットとは
デメリット①お墓参りや献花ができなくなる
墓参りや献花などの行事ができなくなることが挙げられます。散骨には形が残るものがほとんどありません。お墓などがあればそこに刻まれた戒名や命日を見れば、故人を感じしのぶことができます。
デメリット②遺骨が残らない
散骨は遺骨を海に撒くため、遺骨が残りません。よってご遺族の中には寂しく感じる方もいらっしゃいます。ただ、ご遺骨の一部を残し手元供養という形で残すこともできますので、事前にご家族で話し合い散骨業者に相談するのもいいかもしれません。
デメリット③散骨にはルールがあるため、きちんと厳守した上で行う必要がある
自分の私有地でも、近隣の住民から同意をもらえた場合のみ行なってください。海洋散骨についても岸に近かったり、自治体によっては制限している箇所もありますので事前にルールを確認した上で散骨をしてください。
海以外にも。散骨の種類と費用相場
散骨は海に限ったものではありません。山や海、空などがあり今では宇宙への散骨もあります。
海洋散骨
海洋散骨には大体3種類ほどのサービスがあります。
チャーター散骨:1家族のみで散骨を実施するため、落ち着いてお見送りができるが、船を貸し切るため1番費用が必要になる。(15~30万円)
合同散骨:複数の遺族が船に乗船し散骨する。船代を複数の家族で支払うため費用は抑えられるが日程や乗船人数などの調整が必要。(10万円前後)
委託散骨:遺族は乗船せず、業者が代理で散骨する。散骨証明書を発行し散骨時の証明写真を添付するサービスが付いている。(5万円前後)
申し込みから散骨と当日までの流れ
ステップ1:故人の意思確認とご家族の承認を行う
散骨をする際、トラブルになりやすいのが意思確認です。ご本人の意思も大切ですが、残されたご家族としっかり話し合い散骨の意思をしっかり認知してもらいましょう
ステップ2:粉骨
ご遺骨については2mm以下の粉末状にしなければならないという法律があります。その法律に基づいて粉末化しなければなりません。粉骨については大抵の散骨業者にプランが用意されていますのでご相談してみてください
ステップ3:散骨当日
当日は平服での参加が望ましいです。出航する場所は多くの方がいらっしゃいますので、トラブルを避けるためにも平服が望ましいです。
ステップ4:散骨証明書の受け取り
散骨が終了しますと後日、散骨証明書が送付されてきます。記載内容は故人名や散骨日、散骨をした場所、散骨風景などが記載されています。この証明書をもって散骨が終了となります。
散骨を行う際の注意点
上記で記述したように遺骨は粉末状にしなければいけません。これは遺骨に見えないようにすると同時に自然に還りやすくする為の処置でもあります。
また、中には銀歯や釘などが混ざっている場合があるので事前に取り除いておきましょう。
散骨場所については自治体の条例規定にされていることがあるのでよく調べておく必要があります。
このように散骨に関しては注意する点がいくつかありますので、きちんとルールを遵守して節度ある散骨を実施しなければいけません。
自然に還る散骨という選択肢
遺骨の納め先はお墓が一般的です。自然に還りたいと願う人やお墓の負担を少しでも減らしたいと思っている方に散骨は選ばれています。散骨にして欲しいと思ったら、具体的に計画を固めて、家族との話し合いの場を設けることをおすすめします。
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