老後のために貯金をしている方もいると思いますが、 老後は公的年金が生活のベースになりその貯金をゆっくり取り崩しながら生活をしていくのが基本となってくるでしょう。日本の現状を把握し夫婦が仲良くないと破産する可能性があることと老後の家計が破綻する3つのパターンを考えていきたいと思います。
老後の生活は貯金を取り崩すのが基本
家計の収支は毎月不足しているのが現状
世帯主が高齢者の無職世帯における家計収支の平均は1ヶ月あたりの実収入が20万9千円であるのに対し、実支出は26万3千円となり毎月約5万4千円不足していることがわかりました。
また、公的年金が実収入に占める割合は約9割で、残りの1割は、妻や同居している家族の収入、家賃収入や利子、仕送り金などでまかなっているのが実情です。
再就職などによる労働所得や不動産収入などが得られるうちは収入の不足分も補えますが、一生続くものとは限りません。また、こうした所得が得られない人も大勢います。基本的には老後に備えた貯蓄を少しずつ使いながら生活するつもりで、老後の設計を立てましょう。
寿命の長寿化を視野に計画的に貯蓄を取り崩す
公的年金は生涯受け取れますが、貯蓄には限りがあります。とくにデフレのときは金利が低く、金融機関に預けていても利子はほとんど望めません。また、急激な物価の高騰などにより食料品や生活必需品の価格が上がっても、年金額が据え置枯れたままであることも充分考えられます。
近年、日本人の平均寿命は年々長寿化し、男性が81歳、女性が87歳です。そのため、長期的な展望で生活設計することが必要です。
老後は夫婦が仲良くないと破産する
離婚による年金分割でも生活は支えられない
いわゆる熟年離婚の増加を背景に、離婚時の「合意分割制度」と「3号分割制度」が定められました。これは、離婚後の夫婦の年金受給額の大きな開きを解消するために制定されたもので、婚姻期間の厚生年金保険料の納付記録の2分の1、もしくは合意によって決められた割合を妻の納付記録に加える制度です。
確かに会社勤めの期間が短かった妻にとっては良い制度ではありますが、生活を支えるだけの収入にはなりません。
老後こそ夫婦の協力が欠かせない
離婚時の合意分割制度と3号分割制度は、夫の年金の半分をまるまる妻がもらえると思いがちですが、実際は、婚姻期間中の厚生年金制度の加入期間の納付記録を分割するもので、婚姻前や離婚後の記録は分割されないため、夫の年金の半分というわけにはいきません。
離婚というまではいかなくても、夫はゴルフ、妻は友達と旅行、などとそれぞれの生活を優先していては、すぐに生活が立ち行かなくなります。老後は、夫の生活のベースも家庭になります。1つの船に乗った夫婦が協力し、生活設計を考えることが重要です。
老後の家計が破綻する3つのパターン
現役時代と同じ気持ちでお金を使わない
老後の資金には十分余裕があると安心していると、思わぬ破綻を招くことになります。その主なパターンが「月々の浪費」、「イベントでの大盤振る舞い」、「運用の失敗です」それでは一つずつ見てみましょう。
月々の浪費
現役時代に比べ、一般的に、収入に占める生活費の割合が大きくなり、月々の収入では不足することが予想されます。
長寿化も勘案し、金銭感覚をあらためることが大切です。
イベントでの大盤振る舞い
資金に十分余裕があるからと、家の改修や車の買い替え、子や孫の祝い事などに必要以上のお金をかけない。
退職金などのまとまったお金も、老後の生活資金の一部であることを忘れずに
運用の失敗
老後資金に不安があるときほどリスクのある金融商品には手を出さない。一般的に、損した分を取り戻すには長い投資期間と新たな元手が必要。
損をしても全く問題ないという人以外はやめておいた方が無難です。
老後資金はリスクを避けて使用する
定年直後は退職金など一時的に大金が舞い込みます。住宅ローンの返済など、使用目的が明らかになっている場合は良いのですが、つい気持ちが大きくなって、夫婦や家族のイベントに贅沢をしがちです。特にこの時期、体力や時間にゆとりがあり、仕事からの開放感も手伝って、今までできなかったことを実現しようと、大金を使うこともいとわなくなるので配慮が必要です。
少ない貯蓄を増やそうと、投資に走るのも破綻の一因です。リスクの多少に関わらず、元本が保証されない金融商品は損をする可能性を伴います。また、利益が出ても手数料などが差し引かれて、定期預金に預けているのと変わらないケースもあります。資金に不足があるときほどリスク商品は避けるべきです。
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